いい状態って、なんだろう。

8月のHealth Documentaryは、「環境」について考えている。前回は、この夏、選手たちが自分の身体やテニスと向き合い、「自分に何が必要なのか」を考えるようになってきたことを書いた。

そして今、選手たちはそれぞれ次の試合に向けて準備をしている。
海外や国内で次の大会に挑むプロ選手たち。8月末から始まる全日本ジュニアを目前にしたジュニア選手たち。

最近、練習を見ていて思うことがある。
大事な試合が近づくと、一本のミスがいつもより大きく見えることがある。
「今日、なんかダメです。」
そんな言葉が出たり、思うように打てないことにイライラしたりする。
でも、外から見ていると、そこまで悪くない。
むしろ、いつもとそれほど変わらない。

一本入らなかった。
一本思ったところに打てなかった。
ただ、それだけのことだったりする。
普段なら次のボールを打って終わることが、大事な試合が近づくと、「本番でもこうなったら」と、その一本に意味を持たせてしまう。

でも、どんな一本も、同じ一本だと思う。
大事な試合の一週間前に打った一本だからといって、そのミスが特別なものになるわけではない。
今日の一本が、明日の一本を決めるわけでもない。
テニスは、一本打ったら、また次の一本が来る。
いいショットを打っても次がある。
ミスをしても次がある。
試合でも同じだ。
だから、一本一本に意味を持たせすぎなくていい。
毎日必死に練習してきたからこそ、「いい状態で試合に入りたい」と思う気持ちは分かる。

でも、いい状態を作ろうとしすぎることで、普段なら気にならないことまで気になってしまうこともある。
少し身体が重い日もある。
ボールが思うように入らない日もある。
逆に、試合になったら急に身体が動くことだってある。
その日の状態を、一本のボールで決める必要はない。
ここまでやることはやってきた。
あとは、コートに立って、目の前に来た一本を打つ。
そして、また次の一本を打つ。

いい状態とは、全部がうまくいっていることではなく、何が起きても次の一本へ行けることなのかもしれない。
大きな大会だからといって、テニスが違うものになるわけではない。
どんな一本も、同じ一本だ。
せっかくここまで来たんだから、あとは思い切り楽しんでほしい。

サーフィンのイラスト
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