体温の話、ではない話 ②

前回は、体温の話から、コンディショニングと、選手にどう主体性を持たせるのか、というチーム作りの話を書いた。今回は、その続きを書きたい。

B6TCでは、選手それぞれが、自分のプレースタイルを作るために日々トレーニングしている。 その50%は、身体だと思っている。 思った通りに動けるか。必要な場面で、しっかりボールにパワーを伝えられるか。 その身体を作るために、トレーナーがいる。 だから、ただ「痛いから休む」「元気だからやる」という話ではない。

というのは、若い選手は、寝れば回復する。少しくらい無理しても、次の日には普通に動けてしまう。 だから、自分の身体の小さな変化を見落としやすい。 でも一方で、神経質にもなりたくない。 少し痛い、少し重い、少し違和感がある。そのたびにトレーニングを全部止めていたら、身体は強くならない。鍛えた身体も、休みすぎればまた元に戻る。 だからB6TCでは、「押す日と落とす日を見極めること」を大切にしている。

4月からチームに入ってくれた小林トレーナーは、理学療法士でもある。 「数字だけでは分からないことが多い」と彼は言う。 たとえば、1km、3km、5km、7kmとラップを計測しながら走るインターバルや持久走。暑い夏の試合を勝ち抜くためには、持久力と集中力の両方が必要になる。 体がきつくなれば、集中力は落ちる。足が動かなくなれば判断も雑になり、プレーの質も落ちていく。 だからトレーニングでは、ただ走ればいいわけではない。 どの強度で、どこまで上げて、そこからどれくらいで戻るのか。その変化を見ることが大事になる。 同じメニューをやっても、すぐ戻る選手もいれば、ずっと引きずる選手もいる。そこを見ないと、本当にその選手に合った負荷は分からない。

体温も、その判断材料の一つだ。 心拍数、回復の速さ、動き、表情、会話。 全部を合わせて、今日は押す日なのか、少し落とす日なのかを考える。

朝、コートに着いてからアップまでの間に、 「昨日ちゃんと寝られた?」 「何食べた?」 と、何気ない会話をする。 その上で動きを見る。 本人は「だるいです」と言っていても、動けている日がある。逆に「大丈夫です」と言っていても、いつもの動きが出ていない日もある。 だから、数字だけで決めない。 感覚だけでも決めない。 数字と感覚の両方で判断する。それが、B6TCのコンディショニングだ。

結局、コンディショニングは数字を揃えることではない。 一人ひとり違う身体を、違うタイミングで、どう前に進めるか。その設計なのだと思う。 チームとして目指す方向は一つ。 でも、そこに向かう身体の作り方は一人ひとり違う。 その違いを見極めながら、必要な時には押し、必要な時には落とす。 強制だけでも、自主性だけでも強いチームにはならない。 その間をどう設計するか。 そこに、チームの強さが出るのだと思っている。

サーフィンのイラスト
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