LION NIGHT、始まりました。
10月6日、1年前から準備してきた「LION NIGHT TOKYO EDITION」が、国立科学博物館 日本館1階の企画展示室で始まりました。
初日からたくさんの方が駆けつけてくれ、これまで僕の写真を見たことがなかった、あらゆる年代の方々にも作品を見てもらうことができ、改めて国立科学博物館の偉大さを感じています。
初日からたくさんの方が駆けつけてくれ、これまで僕の写真を見たことがなかった、あらゆる年代の方々にも作品を見てもらうことができ、改めて国立科学博物館の偉大さを感じています。
今回の展示で一番やってみたかったのは、夜のライオンを、夜の空気の中で見てもらうことでした。
1回目の青山スパイラルでは、大きな会場の中をライオンたちが歩き回っているように写真を配置し、その間を子どもたちが走り回っていました。
2回目はパリ。長い歴史を持ち、世界中から多くの人が訪れるルーヴル装飾美術館で、夜の闇の中、家族と寄り添い、眠り、静かに呼吸するライオンたちがアートとして展示されました。
3回目は2026年夏、フランス・ノルマンディーで開催された「Festival Photo Martagny」。村全体を写真展示の場へ変えるこのフェスティバルでは、大判のライオンたちを森の中に展示し、美術館とはまったく違う、自然の中を歩きながら写真と出会う展示になりました。
どれも素晴らしい写真展でしたが、一つだけできていなかったことがあります。
「夜」を見せることです。
写真に写っているのは夜のライオンなのに、展示会場は明るい。もちろん写真はその方が見やすいのですが、僕がサバンナの中で恐怖と感動を同時に体験した、あの世界とは少し違います。
今回の国立科学博物館では、安全を確保しながら会場を暗くし、照明を細かく調整して、暗闇からライオンたちだけが浮かび上がってくるような空間を作りました。
会場に入ると、暗闇の中にライオンがいる。
ようやく「LION NIGHT」というタイトルそのものを、空間として見せることができたと感じています。
実際に見てくれた方からも、「夜のライオンの世界を体験できた」「ライオンが好きなので初日に飛んできたけれど、こんな表情は見たことがなかった」など、たくさんの嬉しい言葉を直接いただきました。
そして初日の17時からは、メールマガジン読者だけの特別企画を行いました。
閉館後の企画展示室を貸し切り、抽選で当選した20名の皆さんに作品を1点ずつ解説しながら回る、特別なプライベートツアーです。
一般のお客様がいなくなった静かな博物館。暗い展示室の中にライオンだけが浮かび上がり、そこに僕たち20数名がいる。
約40分間、写真を撮った時の状況や、そのライオンの家族のこと、写真には写っていない前後の出来事まで話していきました。話している僕自身もロケの時のことを次々と思い出し、なんとも特別な時間になりました。
正直、最高でした!
参加してくださった皆さん、そして今回残念ながら抽選に外れてしまったたくさんの皆さん、本当にありがとうございました。
さらにその夜は、いつもお世話になっている方々をお招きして、国立科学博物館の講堂でクローズドのレセプションパーティーを開きました。
スペシャルゲストには、国立科学博物館の川田伸一郎さんをお迎えし、動物の生態について、特にモグラやライオンのディープな話を聞かせてもらいました。
川田先生とのやり取りが、とにかく面白かった。
僕が気になったことを次々に質問すると、持参した標本や動物の骨を用いて専門家として答えながら、時には面白おかしく話してくれる。
なかでも驚いたのが、身近にいるモグラでさえ、まだ分かっていないことがたくさんあるという話でした。繁殖についても、まだ解明されていない部分があるそうです。
そして、とても印象に残った話があります。
博物館の仕事は、今分かっていることを展示するだけではない。100年後、200年後に誰かがある動物について知りたいと思った時、その研究ができるように標本や資料を残し、準備しておくことも仕事なのだ、と。
自分が生きている間に答えが出るかどうかではなく、まだ会ったこともない未来の研究者のために仕事をする。
国の研究機関で仕事をするということの、時間軸の大きさを感じました。
こういう話を聞けるから、僕は研究者と話すのが好きなんだと思います。知られざるモグラの世界も、ほんの少しだけ覗かせてもらいました。
トークショーの後はパーティーです。
久しぶりに会った方や、いつもお世話になっている方々と、国立科学博物館のモダンな講堂で、ライオンをきっかけに一夜だけの時間を一緒に過ごすことができました。
その中で僕がお話ししたのが、「知ること」と「認知」についてです。
僕らは、知っているものは見えている。でも、知らないものは気にならないし、目の前にあっても見えていないことがあります。
今回、川田先生からモグラについて知らなかった話を聞きました。
すると急に、モグラが見えるようになる。
「モグラ」という文字に敏感になり、公園に穴があれば、「もしかして」と気になるようになる。
世界が変わったわけではありません。知ったことで、自分が見える世界が変わったのです。
僕が夜のライオンを撮っているのも、そこにつながっています。
誰もが知っているライオンにも、僕らがほとんど見たことのない夜の生活がある。それを写真で見た後、ライオンという動物が、それまでとは少し違って見えるかもしれない。
知らなかったことを知ると、自分の世界が少し広がる。時には、それまで持っていた価値観まで変わることがある。
僕は、それがアートの役割の一つだと思っています。
「LION NIGHT TOKYO EDITION」は、10月12日まで上野・国立科学博物館 日本館1階の企画展示室で開催しています。
ぜひ、夜のライオンたちに会いに来てください。
LION NIGHT TOKYO EDITION
会期:2026年10月6日(火)〜10月12日(月・祝)
主催:株式会社ロイヤル・アーツ
会場:国立科学博物館 日本館1階 企画展示室
主催:株式会社ロイヤル・アーツ
会場:国立科学博物館 日本館1階 企画展示室
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